2021年のウィルグループはwell-beingについて、どんなことをやっているのか?
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今回の記事は、海も空も緑もきれいな夏真っ盛りの久米島で、毎日娘たちにもみくちゃにされている鳥谷部が投稿いたします。
ウィルグループのwell-beingについての取り組み
2019年4月、well-beingを経営の最重要概念として掲げたウィルグループは、
さまざまな取り組みを続けてきました。
そして活動の進捗をまとめたものとして、2020年には以下の記事を投稿しました。
この投稿では、「2021年のウィルグループはwell-beingについてどんなことをやっているのか?」
をまとめてみたいと思います。
最近は、日本経済産業新聞でその取り組みの一部を紹介していただきましたが、
それをよりリアルに具体的に紹介する試みでもあります。
2021年に起こした変化・進化
まず簡単に、2020年までと2021年を比べての変化・進化を要約しておくと、
【変化・進化①】
2020年:well-beingを主題に学習機会を設計・提供
2021年:well-beingを主題にせず学習機会を設計・提供(well-beingを目指しているのに!?)
【変化・進化②】
2020年:全社員必修で学習機会に参加
2021年:その学習機会を欲しい社員が任意で参加(一部、人材開発部から特別オファーも出す)
【変化・進化③】
2020年:「点」になりがちだった学習
2021年:「線」を示し「面」にまで広げていく学習
こんな感じになります。
では、どんな背景で変化・進化を試みたのかを書いていきます。
(①に伴い②③があるので、説明の中心は①となります)
well-beingを主題にせず学習機会を設計・提供
この変化は自己否定から生まれました。
2019年からwell-beingについて学習する「well-beingワークショップ」を
1年以上続けてきましたが(およそ60回、1000人の社員に向けて)、
自分たちの現実を変えている手ごたえをなかなか感じにくいことを理由に、
その価値を積極的に見直してみたのです。
2021年2月のことでした。
見直し方は、well-beingワークショップの内容を変えるというありがちな方法ではなく、
well-beingの扱い方を変えるという抜本的な方法が必要なように感じました。
学習者が(特にビジネスパーソンが)well-beingについて今以上に自分事にするには、
ダイレクトにwell-beingについて学習することを通してではなく、
もっと自分事化しやすい「何ものか」を通してなのかもしれないと考えたからです。
ところで、僕は、コーチングを学習し始めた2012年以来、
人生や仕事の質が高まることを経験しています。
なぜなら、コーチングは、人生全体を視野に入れて、
人生に望ましい変化を起こし続けるためのコミュニケーションだからです。
言ってみれば、コーチングは僕の人生をよりwell-beingなものに導いているのです。
「あ、そうか」という直感が生まれました。
コーチングを通じてwell-beingに向き合えばいいのかもしれない。
これは「クロストレーニング」の発想です。
クロストレーニングとは、ひとつの領域の成果が
他領域の成果獲得を高速度化するという考えです。
たとえば、ウェイトリフティングは瞑想の深さを変えるという例があります。
これをwell-being学習に持ち込んだらどうなるだろうか。
一見遠回りにも感じるけれど、コーチングを学ぶことを通して、
確実にwell-beingの理解と実現を目指せるのではないか。
また、コーチングは仕事における部下育成やクライアントの問題解決の力になります。
つまり、目標達成に向けて今日効果的に何かを変えていきたいと考えている
営業部社員にとってコーチングは「実務で役に立つ」と思える学習テーマなのではないか。
方法としても意義としても、これまでを越えていけるように感じました。
こうしてwell-beingが主題だった取り組みをアップデート。
コーチングを主題にして(well-beingを副題にして)
2021年4月からは「Well-Being & Coachingトレーニング」を開始しました
Well-Being & Coachingトレーニングとは
MGR未満とMGR以上を対象にした2つのトレーニングを行っています。
MGR未満の「Well-Being & Coachingトレーニング」は、
☑コーチングとwell-beingを同時に学び進めることを通して
自他のwell-beingを高める考えや方法を習得することを目的に、
☑グループ全社から手を挙げて集まった社員が少人数クラスを作り、
☑対話を盛り込みながら各回2時間、全6回のオンライン学習を進めます。
☑鳥谷部がトレーナーを務めています。
MGR以上の「Well-Being & Coachingトレーニング」は、
☑コーチングとwell-beingを同時に学び進めることを通して
自他のwell-beingを高める考えや方法を習得することを目的に、
☑グループ全社から手を挙げて集まったMGR・部長が
☑鳥谷部と1対1で
☑各回1.5時間、全6回のオンライン学習を進めます。
2021年上期は、前者は6人×2クラス(満席)が進行し、
後者は8名(満席超え)が個別トレーニングを進めています。
両トレーニングとも
【変化・進化②】その学習機会を欲しい社員が任意で参加
【変化・進化③】「線」を示し「面」にまで広げていく学習
するものとなっています。
②を積極的に推進できたもの、
それまでに全社員必修のステージがあったからだと思っています。
また、ここに今参加を決めない人たちにも継続的な学習機会を届けたいと思い、
不定期でのワークショップ開催や情報提供なども行っています。
コーチングの学習はwell-beingに実際に寄与するのか?
「あなたのwell-beingはどのように変化していますか?」
という質問に対して、MGR未満のトレーニングへのご参加者は、
- 私のwell-beingは研修を受ける前の4月と受けてからの7月における「Well-Being Circle」の診断で数値が大きく向上しています。研修でインプットしたことをできる限りアウトプットすることで、自身の気持ちの持ちようが今まで以上に軽くなりました。
- 私自身、どちらかというと「私なんか」と自分を否定しがちでしたが、自分のネガティブな感情を否定せずに受け止めるというwell-beingな生き方として推奨される方法を意識することによって、自己肯定感が上がっていることを感じています。
- 生活の基準が変わりました。well-beingについて学んだら、well-beingを基準に考えることができるようになり、仕事や余暇の過ごし方も決断が早くなり余裕が出てきたように感じています。心なしか仕事も余暇も幸福度や充実度が上がっているように感じます。
同じ質問に対して、MGR以上のトレーニングへのご参加者は、
- 休みの日、仕事前後の時間の過ごし方がこの半年で180度変わりました。身体、精神、経済のすべての健康に変化がでてきています。
- 自己認識を深めるためのアクションが増えたことにより、以前よりもありのままの自分を受け入れられるようになっています。また、自身に関わる人に対する感謝の気持ちを再認識するアクションが増えたことにより、周りへの感謝の気持ちが大きくなっている気がします。
- 「Well-Being Circle」の診断で「ありのまま力」が上昇しました。ずっと同じような状況でしたが、変化がありました。どんな時でも自分らしくいよう、そしてそれを実現した上で業績を達成しようというスタンスで臨めるようになりました。
個々人の実感として、自分のwell-beingに何らかの手ごたえを感じていることが伝わります。
そして、コーチングの学習成果を問う別の質問では、
業務上の部下育成や他者支援にも好影響を与えていることが伝わってきます。
ちなみに、コーチング学習の意義について書いた過去の投稿には以下のものがあります。
2020年から本格的に進めてきた幹部向けコーチング研修についてです。
これからも、より一層、コーチングの学習機会をウィルグループの中に創出し、
コーチングから始まるwell-beingの可能性を探求していきたいと考えています。
コーチング研修のその先には対話勉強会も
幹部においては、コーチング研修で学んだBeing・Doingを通常の1on1の関係だけでの実践にとどめず、
それをベースにしながらより組織力を高めていくために「対話」についての学習も進めています。
これは非日常的な経験ですが、業務の中では言えなかったことを言葉にし、
互いに聴く経験は、個人と組織のwell-beingを目指すためにもとても大切なものだと実感しています。
そして、この非日常が、日常を変えます。
対話の学習を重ね続けているとある部門の幹部は、次のような変化を感じています。
自分自身においても、組織においても。
- 共通の目標やゴールに対して、自分の考えを率直に伝えられるようになった。今までのコミュニケーションは、論理や合理や決定事項が中心だったが、気持ちや感情を言葉にして共有することが、人が仕事で成果を出すにはとても大切だと実感している。(執行役員)
- 組織として学習することでこれまでよりもより活発な意見交換ができ、心理的安全性が増し、目標に向かって進む一体感が増した。組織は計画の前に個々人や組織の内面に向き合うことが重要だとわかったし、組織の中にその風土が出来つつあると感じる。(部長)
- 気持ちを含めて話をすることでより本質的な議論が可能となり、課題解決に向かうことができると理解できた。コーチングや対話の学習を通して、企業における人財の重要性の本質がわかった。個人・組織の内面が重視されていない組織は崩壊していくことを理解できた。(マネージャー)
ウィルグループは、非日常的な対話の学習と経験を重ねることで、
ありふれた日常をwell-beingな毎日へと変えていきたいと考えています。
今回はここまでです。
長い投稿を最後までお読みくださいありがとうございました。