2020.10.26

ゆるく学びましょう、という発想

twitter facebook hatena
鳥谷部大樹  2020年3月、住み慣れた東京から家族5人で沖縄県久米島に移住しました。サトウキビとパイナップル畑、バナナの木に囲まれた自宅オフィスから、well-being(幸せ)についての研究とワークショップ、幹部向けパーソナルコーチング、コーチングトレーニングをしています。

海外旅行をすると日本や日本人の特異性に気がつくことがあるように、

他社さんの社内に入ってみることで自社の文化というものも捉え直すことができます。

 

今回の投稿は、先日パラレルワークで登壇したCalbeeさんの社内セミナーで感じた

ウィルグループの伸びしろについてです。

 

Calbee Learning café online

以前の投稿で、パラレルワーク制度を使って

Well-Being & Coaching Nangoku,Inc.(WBCN)という会社をつくったことを書きました。

 

先日は、WBCNの鳥谷部として、いつもかわいがってくださる人事界の大先輩の導きによって、
Calbee社の「Calbee Learning café online」に登壇させていただきました。

 

Calbee Learning café onlineとは、同社の2030年ビジョンを実現するために、

社内外から積極的に学びを取り入れることを目的に立ち上がった、

全社員に学習の機会が提供されている定期的な勉強会です。

 

ちなみに、当日知ったのは、これまで社内の講師が持ち回りで実施していたものの、

社外から講師を呼んでの開催は今回が初めてとのこと。

 

Calbeeの社員みなさんの、勉強会に登壇する社外講師への期待感のようなものを、

次につないでいく重要な役割を担わせていただいたことに、喜びを感じました。

 

当日は、平日の日中という時間帯でありながら、40数名の方がご参加くださいました。

 

僕は、久米島へ移住しての新しいライフスタイルとワークスタイルについて、

そして在宅勤務しかしえない環境でどう在宅勤務をwell-beingに行っているのか、

僕の経験とポジティブ心理学のwell-being理論についてお話をしました。

ゆるく学びましょう、とはなかなか言えない

Calbee Learning café onlineへの登壇自体がすばらしくありがたい経験でしたが、

その運営の仕方も僕にとっては大きな学びの機会となりました。

 

打ち合わせや本番で運営のご担当者から繰り返し出た言葉は「ゆるく」。

「ゆるくやりましょう。」「こんな感じのゆるい会なんです。」

 

これはなかなか言えない言葉だよなあ。

ウィルグループにはない言葉のチョイスだなあ。と思ったのです。

 

僕は、そして人材開発部は、「ゆるく」ではなく「ちゃんと」「しっかり」、

時には戦闘モードで学ぶことを受講者に求めていたように、わが身を振り返ります。

 

研修参加者への、人事からのメッセージとしても、研修に送り出す部門側のメッセージとしても、

「研修時間中もお給料発生してるんだからね。ちゃんとパフォーマンス出してよ」

そんなメッセージがあっただろうと振り返ります。

 

もちろん、どこの企業さんにおいても、研修受講者にそういう期待をしているのだとは思いますが、

しかし、ここで聞いた「ゆるく」という言葉から僕が感じたのは、

受講者の学ぶ意欲を信じていて、むしろ一番吸収力を発揮する学び方は受講生のみが知っていて、

それを最大限に引き出すためには、よくある外的なコントロールによってではなく、

自分なりの学習スタイルを選べる「ゆるく」というスペースをつくることが大切なのかもしれない。

ということでした。

 

何が学習者の成長を一番大きくするのか、明確な答えを得たわけではありません。

 

しかし、「ちゃんと」を求め続けてきたことも「ゆるく」という言葉によって明らかになり、

「ちゃんと」では行きつけなかったレベルにいくには「ゆるく」という方法も必要なのかもしれない。

 

そんなことを感じています。

 

越境することは、自分たちの方法を自覚し、見直すためのよい機会となります。

これはパラレルワークのよさです。

ゆるいカレー屋“アイランドカレー”

ゆるいつながりで最後にご紹介したいのは、

久米島の超絶おいしいアイランドカレーについて。

 

一時、すごく長くなった髭(と島にこもる生活様式)ゆえに「仙人」と呼ばれることもありますが、
ここ久米島にきて、さらに本格的な髭を蓄える素晴らしい友人ができました。

 

ここにはちょっとしたエピソードがあります。

中学校で学習支援をする妻は職員室でたずねられたそうです。

 

先生「旦那さんて、カレーライス屋さん?」

妻「まさか。東京の会社員ですよ」

先生「そっか。旦那さんにそっくりな人がカレー売っててさ」

これは久米島で超絶おいしいカレーを提供するアイランドカレーのおふたり。なるほど、こちらの方を遠目に見たら、色とフォルムは僕に似ていたのかも。

アイランドカレーは、これまで食べたカレーの中でも、群を抜いておいしい。

 

久米島という、ノイズが少なく、精神統一を遂げやすい環境で、

四六時中、大好きなカレーライスのさらなる進化の可能性に没頭&献身し、

ときに自己変容のために本場インドでカレー修行にこもる。

そして、飼っている犬の名前はガンジーと名付けている。

 

超絶おいしいはずです。

 

たいてい、土曜日のランチは、青空の下、畑とその向こうの海を見ながら、

レゲエをBGMに、妻とふたり、アイランドカレーを楽しむ至福の時を過ごしています。

 

おふたりは、レゲエのリズムを身体で刻みながら、盛り付けをします。

そして、信念をもって、自分たちのカレーについて語ります。

ふたりと触れていると、こちらがゆるんできます。

 

そして、慶応大学の前野隆司さんが提唱する「幸せの4因子」のうちのひとつである

「ありのままに、自分らしく」ということがいかに大切で、

いかに人をイキイキと輝かせるのかを感じさせられます。

 

「ちゃんと」「しっかり」よりも、ゆるいぐらいが幸せであるにはちょうどいいのかもしれません。



twitter facebook hatena

この記事を書いたレポーター

鳥谷部大樹 
2020年3月、住み慣れた東京から家族5人で沖縄県久米島に移住しました。サトウキビとパイナップル畑、バナナの木に囲まれた自宅オフィスから、well-being(幸せ)についての研究とワークショップ、幹部向けパーソナルコーチング、コーチングトレーニングをしています。

このレポーターの記事

もっと見る