2020.04.15

well-being magazine③~オンラインランチのすすめ~

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鳥谷部大樹  2020年3月、住み慣れた東京から家族5人で沖縄県久米島に移住しました。サトウキビとパイナップル畑、バナナの木に囲まれた自宅オフィスから、well-being(幸せ)についての研究とワークショップ、幹部向けパーソナルコーチング、コーチングトレーニングをしています。

人材開発部のオンラインランチとは

社歴17年の役員から2020年新卒入社のメンバーまで、男ばかりの部門なんですが、
「いただきます」と声をあわせて初めてのオンラインランチをスタート。
  • ひろきさん、髪、さっぱりしましたね!
  • そう、切りに行けなくなると思って切ってきたのよ。
  • それ賢い判断でしたね。おれも行きたい!
  • だめだよ、今は行っちゃダメ。だいいち、髪型整えても、人に会わないでしょ。俺は究極のインドア派だから普段も人に会わないよ。
  • そういや、大和田、今日はちゃんとパジャマ脱いだんだね。
  • おととい、下釜さんにそこはさとされましたので。
  • 戸城さ、髪切ったら、髪より顔のほうがでかくなったね。
  • 人は髪を切るとだいたいそうなるんです。
  • ならねーだろw
  • ていうかてっしー、あごばっかり映ってるよ。
  • なるほど。
  • こんなにじっくりてっしーのあご見たの初めてだわ。
  • ていうか鳥谷部、おまえ、島バナナ食べてもはやログアウトしてる気分だろ。

思い返しても、ほとんど意味ある会話がなされていないのが

人材開発部のオンラインランチでした。

オンラインでも相手の存在を近くに感じることができる

人材開発部はそれぞれの役割における研修や出張や打ち合わせで

オフィスでも全員が顔を合わせるということが少なかったチーム。

 

 

そこにさらに拍車をかけるように始まった一斉在宅のため、

お互いの表情がますます見えにくくなったからこそ、

せめてランチで仲間の存在を確認しあおう、ゆるい雑談をしよう。

そんな思いからお試しでやってみたのです。

  • リアルでランチをしても、こんなに相手の顔を見て食事をするなんて今までなかった気がする。オンラインだけど、表情からたくさんのことが伝わった。相手をすごくそばに感じることができた。これからもやっていこう!

人材開発部長はそんな手ごたえを得たのです。

 

 

猿は互いに毛づくろいをすることで群れの一員であることを確認し、

群れの一員であることの絆を深めるようです。

 

 

人はゆるい雑談で絆を確認し深めていくのかもしれません。

対照的な、「孤独」という状態

別の同僚にこの取り組みをシェアしているときに、

彼女からはこんなメッセージが返ってきました。

 

 

「いいよね~、こういうときメンバーがいないって孤独だよ~www」

 

 

弊社にはひとり部門もあります。

営業部にはひとり営業所もあります。

 

 

オンラインランチしようよ、と特別なハードルを越える必要もなく誘い合える

日常業務をともにするメンバーがいることのありがたさと、

やはり人は誰かと何かをともにすることがwell-beingな状態に近づく肝なのだなあ

と、これらふたつの対照的な出来事から感じたのです。

Relational well-being/人間関係のwell-being

今回は、タル・ベン・シャハー博士のSPIRE理論の「R」

すなわち Relational well-being/人間関係のwell-being についてですが、

well-beingの研究には「人間関係が最大級に重要であること」を報告する研究があまたあります。

 

 

タル博士はそのなかのひとつとしてこんな研究を教えてくれました。

  • 75年間にわたる大規模な追跡調査によれば、どんな人間関係であれ、愛し愛され互いを思いやる親密な人間関係を持つ人は、心身健康であることがわかったのです。

言い換えるならば、「心の通い合いを持てない孤独はよくない」ということです。

孤独は喫煙と同等、もしくはそれ以上の健康被害

ビジネスパーソンを対象にした「職場の孤独」についての調査が、

ハーバードビジネスレビュー(2018年6月号)で特集されています。

 

 

予防医学研究者の石川善樹さんの記事によると、

職場で孤独を感じると

・個人や組織のパフォーマンスが大きく低下する

・心身の健康状態が悪化する(それは喫煙に匹敵)

ことが明らかにされています。

 

 

今は物理的な職場がなくなり、オンラインで職場空間を感じていますが、

もしかしたら職場にいた時以上に孤独を感じている人もいるかもしれません。

 

 

感じている、ならば、声を上げてみませんか。

そしてオンラインでつながる。

感じさせているかな、と思えば、声をかけてみませんか。

そしてオンラインでつながる。

 

 

これが今、私たちに必要なwell-beingの保ち方なのではないかと思うのです。

オンラインでつながって雑談しよう、思いを交し合おう

それはテキストのやり取りでもいいし、オンラインランチでもいいと思うのです。

 

 

他愛もない話をしてみたり、自分の気持ちを少し言葉にしてみたり。

そんな積み重ねが、自分に、そしてチームに、何か明るいものを生み出すような気がします。

 

 

先日、人事本部チャットグループに、「お誕生日おめでとう!」メッセージが流れました。

その投稿から、メンバーを祝う言葉と感謝の言葉が重ねられました。

こういうのもひとつのつながり方ですね。

 

 

ちなみにタル博士は、人間関係をつくるうえで必要なあり方をこう説明しています。

  • お互いに、親切さ、寛容さ、やさしさ、寛大さなど、あなたの心を届けあいましょう。受け取ることよりも、自ら与えにいくことが、人間関係をよくし、それはあなたのwell-beingに大きく影響していきます。

次回はSPIREの

Intellectual well-being/知性のwell-being

について、

ウィルグループが参画している「みんなで幸せでい続ける経営研究会」で話された視点から、

考えたいと思います。



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鳥谷部大樹 
2020年3月、住み慣れた東京から家族5人で沖縄県久米島に移住しました。サトウキビとパイナップル畑、バナナの木に囲まれた自宅オフィスから、well-being(幸せ)についての研究とワークショップ、幹部向けパーソナルコーチング、コーチングトレーニングをしています。

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