well-being magazine①~こんなときこそwell-being~
今このときこの場所で自分にできること
久米島に越してきても、久米島の外にずいぶんと意識が向かっている自分に気がつきます。
東京の両家両親は、ウィルグループの仲間は、
ジャカルタに赴任している弟は、外国の友人たちは、
変わりなく元気でいるのだろうか?
未来を希望に満ちたものにするためにも、
今このときこの場所で自分にできることは何なのか、
そして、ウィルグループという存在が真正面から向き合うべきことは何なのか、
そんなことを考えるに至りました。
キーワードは、やはり、well-beingでした。
well-beingについて今一番伝えたいこと
僕が学び続けてきたwell-beingについての知識は、
今こそ今まで以上に意味を持つのではないだろうか。
そう思うときに真っ先に思い浮かんだ伝えたいことは、
昨年学んで感銘を受けた SPIRE という最先端のwell-being理論でした。
僕の尊敬するタル・ベン・シャハー博士の研究成果です。
SPIREは僕にとってとても役に立ってきました。
それをグループの仲間に分かち合うことは私たちにとって意味あることなのではないか、
そして、これをきっかけに私たちがよりポジティブに生きる起点となれたら、
その影響は社会に対してもきっとよいものになるのではないか、
そんなふうにも思うようになりました。
ということで、この投稿から何回かに分けて、各々で意識して取り組める
SPIREというwell-being理論をご紹介していきたいと思います。
とはいえ、長い話になりますので、今回は概論までになります。
日本にはwell-beingの実現に必要な基本的な考え方と実績がある
タル博士は次のように言っています。
- 日本という国は、well-beingを理解し、実現することができるだろう文化的な基盤がある。日本人の優れている点は、その文化的基盤を成り立たせる精神性を持っていることである。
どういうことでしょうか?
タル博士は次のような日本文化、日本人の精神性に触れました。
- たとえば、日本という国には、京都に行けば1000年の歴史が今なお残っていて、地続きの東京には常に未来がある。また、クリスマスのあとに初詣に行くように、日本人は神様が何柱いようと敵視することなく受け入れられる。日本人は、一見、対立や矛盾に見えるものもうまく全体性へと統合することができる柔軟な精神性を持っている。well-beingの実現に必要な基本的な考え方と実績をここに垣間見ることができる。
日本人は世界のwell-beingのリーダー的存在である
社内ではwell-beingを「精神的・身体的・社会的に良好で幸せな状態」と説明しています。
冗長するぎるかもしれない補足をさせていただきますが、
well-beingとは「精神的&身体的&社会的に良好で幸せな状態」なのです。
well-beingとは「精神的or身体的or社会的に良好で幸せな状態」ではないのです。
しかし、あちらを立てればこちらが立たぬという言葉のように、
大切な何かを尊重すれば同じく大切な何かが損なわれたような経験があるかもしれません。
本来well-beingとは、人間にとって、そして自分にとって大切なものが
どれも尊重され、どれも損なわれず、実現できている状態なのです。
そのプロセスは山あり谷ありですが、究極的にそこを目指します。
- 対立や矛盾を全体性へと統合できる日本人の精神性には、そんなwell-beingの難しさを克服し、それを実現することができる可能性がある。日本人は世界のwell-beingのリーダー的存在である。
これが世界の一流の研究者から見た日本人のアドバンテージなのです。
well-beingとはSPIREである
タル博士は、学際的な研究の結果、well-biengについて以下のように考えています。
- well-being(幸せ)という得体のしれないものは大づかみにせず、エレメンツ(構成要素)に分解し、それを全体へと統合していこう。well-beingのエレメンツとはSPIREである。
Spiritual well-being/精神のwell-being
Physical well-being/身体のwell-being
Intellectual well-being/知性のwell-being
Relational well-being/人間関係のwell-being
Emotional well-being/感情のwell-being
これらを実現している状態を、Whole-Beingと呼びます。
そして、Whole-Beingの実現のプロセスは比喩的に言えば、「Kintsugi」だそうです。
分断を統合していく難しさがwell-being/Whole-Beingの道のり
重要なのは、金継ぎが試行錯誤を繰り返す手作業であるように、
SPIREの統合も試行錯誤。
エレメンツが多元的になればなるほど、ときにこちらを立てればあちらが立たず、
その統合は難しくなるものですが、
well-being/Whole-Beingはまさにそのプロセスを歩き続けることで
実現していくものなのです。
まずは統合するべき諸要素を知るところから始めましょう。
次回は、SPIREの
Physical well-being/身体のwell-being
から始めていきたいと考えています。