2020.04.17

well-being magazine④~ニュートンのように生きる~

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鳥谷部大樹  2020年3月、住み慣れた東京から家族5人で沖縄県久米島に移住しました。サトウキビとパイナップル畑、バナナの木に囲まれた自宅オフィスから、well-being(幸せ)についての研究とワークショップ、幹部向けパーソナルコーチング、コーチングトレーニングをしています。

あえて日報を復活させた人材開発部

業務報告、という視点というよりも、コミュニケーション機会として活用するために、

日報を廃止していた人材開発部、日報を復活させました。

 

 

報告者は以下の3点について報告。

1.今日何をした(業務のシェア)

2.今日何感じた (価値観、気づきのシェア)

3.質問やリクエスト

 

 

僕個人が価値を感じているのは、「2.今日何感じた (価値観、気づきのシェア)」。

きわめて自由記述に近い、その人らしさを表現できる設問だからこそ、

書き手は自分の考えや気持ちを書くことができ、お互いに有意義だと感じています。

 

 

ちなみに、日報は、書くこと以上に、お互いのリアクションを大切にしています。

リアクションは、読みましたよ、受け取っていますよ、というサイン。

「いいね」ボタンを押すだけでも、全然OK。

このリアクションがあることが、書き手のwell-beingに、

そしてチームのwell-beingにきわめて重要だと、実感しています。

日報で登場したニュートン

あるメンバーはランチ時間にスマホを見ているとニュートンを紹介する記事に出会ったそうです。

そこから得たこんな気づきを「2」で紹介してくれました。

  • どうやら、ニュートンはペストの流行で休校になっていた間に万有引力の法則を考えたそうです。我々も、この時期を、色々と今後について考えられる期間と前向きにとらえて頑張っていきましょう。

このシェアを手掛かりに、僕もニュートンについて調べてみると、

ニュートンの代表的業績はいずれも休校中に没頭して見出したものだったと言われています。

 

 

休校という、外を簡単にうろつけない、制限の続く期間を、

自分にとって大切な何かに没頭する機会に変えたことがよくわかりました。

Intellectual well-being/知性のwell-being

今回は、タル・ベン・シャハー博士のSPIRE理論の「I」

すなわち Intellectual well-being/知性のwell-being についてですが、

これはまさに休校期間中のニュートンの生き方と重なるように思えるのです。

タル博士は知性のwell-beingを次のように簡潔に説明します。

  • 好奇心と探求心。これが知性のwell-beingのカギなのです。好奇心とは、「なぜ?」と問うことです。探求心とは、先を急がず、深さを追求することです。

この両方を同時に鍛えるためにタル博士は次のような方法をおススメしています。

  • 繰り返し読むに値する、自分にとっての名著を、1行を大切に、1行に没頭して読みましょう。私たちは、読書はたくさんすればいい、そのためには早く読む(speed learning)のがいいと推奨します。しかし、そのスキルはもろ刃なのです。早く読むことの代償は、深さを失うことです。むしろ、ゆっくり深く読む(deep learning)、これが知性のwell-beingを高める秘訣なのです。

ニュートンの業績とは、まさに、とことんまで考えること、deep learningすることで

絞りだされた成果だったのだと感じます。

「みんなで幸せでい続ける経営研究会」での印象的な対話

ところで、ウィルグループは「well-being経営」を実現するために、

幸福学の第一人者である慶応大学の前野教授が主催する

「みんなで幸せでい続ける経営研究会」に参画しています。

今年では2期目の参加となります。

 

 

ちなみに、前野さんには弊社の幹部サミット(WILLサミット)でもご講演いただきました。

開口一番

  • ウィルグループって、いい名前ですよね。WILL、すなわち意志、これは私の研究でもwell-beingにものすごく重要な要素なんです。well-beingの本道を突き進むのがウィルグループですね。

その後もウィルグループは様々お世話になり、大きな愛を寄せていただいています。

ユーモアと愛情あふれる語り口から一気に社内にファンが増えました。講演後は、時間内に質問できなかった幹部による質問の行列が。それにもひとつひとつ丁寧にご対応くださっていた姿が印象的でした。

話を戻して、この研究会の趣旨は、社員の幸せと会社の成長を両立するために、

経営はどう変わっていく必要があるのか、参画企業が対話することでアイデアを生み出し、

一歩一歩実現していくことを目指すものです。

 

 

先日の定例会はオンライン開催となりましたが、

そこである企業の参加者からこんなエピソードが共有されました。

社内で発信されたCEOからのメッセージだそうです。

  • 有事のさなか、景気後退も始まっているなか、みなさんには在宅で奮闘していただいている。生きるためにがんばっていただいている。と同時に、全国的に制限されたこんなときだからこそ、今までできなかった自己啓発や体系だった学習もできはしないか?どうか制約とばかり考えず、前向きに、力を養う期間として使えると、いいですよね。

参画企業のみなさん誰もが、当然ぞれぞれの困難のさなかにいることは間違いないのですが、

この言葉に深く共感共鳴していることが、オンライン上の雰囲気で伝わってきました。

繰り返し読む大好きな本は?

ちなみに、僕にとって、付き合いの長い友人のような本はこの3冊でした。

speedよりもdeepに向き合い続けてきた、その価値を十分に感じる、代表的な本です。

あくまで、僕にとって、という条件付きですが。

専門分野であるコーチングとポジティブ心理学の知識やスキルをアップデートしていくために。小説はもっと知性のwell-beingを育てていくのに有意義だと感じています。いかようにも読み方が可能だと思うからです。

みなさんにはどんな本があるでしょうか?

 

 

次回はSPIREの

Emotional well-being/感情のwell-being

について、

ウィルグループで行っているコーチング研修の1シーンを交えながら、

深めていきたいと思います。



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鳥谷部大樹 
2020年3月、住み慣れた東京から家族5人で沖縄県久米島に移住しました。サトウキビとパイナップル畑、バナナの木に囲まれた自宅オフィスから、well-being(幸せ)についての研究とワークショップ、幹部向けパーソナルコーチング、コーチングトレーニングをしています。

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